光合成の発生過程解明=電気エネルギー化に期待
光合成で太陽光が植物中の水を分解して酸素や電子を発生させるメカニズムを、神谷信夫大阪市立大教授と沈建仁岡山大教授の研究グループが世界で初めて解明した。英科学誌ネイチャー電子版に18日、発表した。
光合成のうち水分解反応は、植物の葉緑体の中の膜にあるたんぱく質の集合体で起こる。集合体の中心構造と水分解反応の過程はこれまで分かっていなかった。今回の成果から人工的な水分解反応を起こすことに成功すれば、光と水から高い効率で安全に電気エネルギーを生産できる可能性がある。
研究グループは、ラン藻からたんぱく質の集合体を採取して結晶化させ、特殊なエックス線を照射して解析。マンガンやカルシウムの原子から成る中心部の立体構造が判明し、そこに結合した水から酸素や電子が発生することを突き止めた。
神谷教授によると、今後このたんぱく質と同じ働きをする触媒が開発されれば、光と水のみを材料として燃料電池などの電気エネルギーに変換できるという。
沈教授は「触媒を人工的に作るのは難しいが、実現すれば従来の太陽光発電などを飛躍的に上回るエネルギー量が期待できる」としている。(2011/04/18-02:04)
民主内対立が顕在化=小沢氏、首相退陣を要求
民主党の小沢一郎元代表が16日、野党が内閣不信任決議案を提出した場合に同調する可能性を示唆、東日本大震災への対応が批判される菅直人首相に事実上の退陣要求を突き付けた。首相に対しては自民党なども不信感を募らせており、「小沢氏が野党勢力と連携するのでは」との臆測が広がる。震災発生で下火になっていた民主党内の対立が再び強まってきた。
小沢氏はこれまで、首相の政治手法を批判しつつも、2009年の衆院選で実現させた民主党政権については「守らなければならない」としてきた。しかし、16日のインターネット番組では「自分自身のことや民主党政権うんぬんのレベルではない。国民の命、生活を守るには、政治家が決断しなければならない」と強調。首相が「延命」にこだわるなら、党を割ることも辞さない姿勢をにじませた。
民主党内では、「菅降ろし」に動くにしても、震災復旧のための11年度第1次補正予算案の成立が見込まれる5月の連休明け以降という見方が強かった。しかし、10日の統一地方選前半戦で惨敗し、首相への不満は拡大。小沢氏周辺からは「政権はもう終わっている。連休明けまで待てない」との声が上がる。
現在、民主、国民新両党に与党系無所属を加えた衆院勢力は313議席。不信任案を可決するには約80人が造反する必要がある。1993年には野党が提出した宮沢内閣の不信任決議に、当時は与党だった自民党から小沢氏ら多数の議員が賛成票を投じて可決した。小沢氏に近い中堅は「野党が不信任案を出せば、宮沢内閣の時のように賛成する」と明言した。
小沢氏自身が自民党に接触を図っているとの情報もある。小沢氏は13日に「(菅政権が続けば)さらなる災禍を招きかねない」などと首相を批判する見解をまとめたが、民主党関係者によると「自民党の森喜朗元首相や古賀誠元幹事長らに連名の文書にするよう呼び掛けていた」という。
ただ、不信任案への同調には、小沢氏系議員の間にも「簡単にできるわけがない」と慎重論がある。自民党側も一枚岩ではなく、中堅・若手の多くは小沢氏らとの連携には否定的とされる。小沢氏に明確な「菅降ろし」の戦略があるともみられず、民主党内からは「じっとしていれば小沢待望論も出るのに、焦っているのではないか」(ベテラン)と突き放す見方も出ている。(2011/04/16-20:22)
原発事故収束が「最優先」=復興への決意、米紙に寄稿-菅首相
【ワシントン時事】米紙ワシントン・ポストと国際英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューン(いずれも電子版)は16日までに、福島第1原発事故について菅直人首相が「可能な限り早く収束させることが私の最優先事項」と早期沈静化の決意を表明、東日本大震災からの復興に全力を挙げる方針を示した寄稿文を掲載した。
「日本の回復と再生への道」と題した文章で、首相は原発事故に際し「あらゆる手段を総動員し、危険と闘っている」と説明。原発の安全性向上へ「迅速かつ徹底的に原因究明し、再発防止のため今回の教訓と情報を各国と共有することを約束する」と言明した。
首相は、放射能汚染水の海への流出に対処するに当たって「最大の努力を払い続けている」と主張。日本の食品への不安が海外で高まっていることに対し、透明性確保に一層努めると訴えた。
復興に関し、首相は「最も精巧な計画を打ち出せる力量を世界に示す」と表明。日本が「危機に打ち勝ち、回復を遂げ、以前にも増して力強く活気に満ちた国をつくることに少しの疑いも持っていない」と強調した。(2011/04/17-07:19)